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出典:METALMICKEY'S CAMERA | camera accessories review by Tetsu Sawamura | 2022年8月18日
ビリンガム ハドレースモールプロ
- カメラのための過保護なバッグ -
写真・文|澤村徹
ビリンガムはライカ用、そんな先入観を抱いている人はいないだろうか。たしかにビリンガムのカメラバッグはトラッドなデザインで、ライカユーザーにはことのほか人気だ。ただし、外観だけにとらわれると、ビリンガムの本質を見失う。ビリンガムのアドバンテージ、 それは圧倒的な作りのよさにある。筆者のビリンガム歴は、10年以上前に
ビリンガム335
という容量10Lの大型タイプを愛用していた。当時はデジタル一眼レフとライカ、さらにオールドレンズ数本を持ち歩くことが多く、重量のある機材を安全に携行する必要があった。 その条件に合ったのがビリンガムだ。見た目はファッションバッグのようだが、インナークッションが肉厚で細部の作りも頑丈。重量のある機材を詰め込んでもビクともしない。過剰装備ともいえる作りが、大きな安心感につながるのだ。
さて、今回はビリンガムの
ハドレースモールプロ
を試用した。容量3.5Lの小振りなカメラバッグだ。サイズ的にミラーレスユーザーにうってつけのバッグである。レンズ付きのミラーレスと交換レンズを、余裕をもって収納可能だ。 大きめのオールドレンズを付けた状態でも余裕があった。
オールドレンズを装着したα7 IVと中望遠レンズを収納。
Visoflex2付きのライカM11とオールドレンズ付きのα7 IVを収納してみた。装着しているレンズにもよるが、
この組み合わせはちょっときつい状態だった。2台持ちするなら定番サイズの
ハドレープロ
も視野に入れておきたい。
このハドレースモールプロも作りのよさが際立っている。クッション性や縫製の確かさはいうに及ばず、ディテールが実用的なのだ。たとえば上部のハンドル。ショルダータイプのカメラバッグの場合、このハンドルがあるかないかで扱いやすさが全然ちがう。 インナークッションの蓋もいい。フラップを開けたときにいきなりカメラをご開帳せずに済む。セキュリティー面で重要な配慮だ。特に高価な機材を携行しているときはありがたい仕様である。また、バッグの開口部に金属がなく、気兼ねなくカメラを出し入れできる。 このカメラバッグのよい点を挙げると切りがない。驚くほど撮影機材に過保護なカメラバッグだ。
バッグ上部にハンドルを装備。ショルダーバッグはこのハンドルがあると俄然取り扱いが楽になる。
ショルダーベルトは肉厚のレザーと真鍮製のギボシで固定されている。ショルダーベルトを取り外すことも可能だ。
バッグのメインフラップは美錠とギボシで閉じられている。普段はギボシからレザーベルトを外せばいい。
インナークッションはボタンでバッグ本体に固定する。バッグからインナークッションが抜け出す心配がなく、安心してカメラを取り出せる。
大きな前面ポケットがふたつあり、カメラアクセサリーやスマートフォンが収納可能。メインスペースに小物を入れずに済む。
蓋付きのインナークッションなので、メインフラップを開けても中身が見えない。背面にはタブレットが収納できる。
収納効率という点でもこのバッグはよく考えられている。メインスペースはカメラとレンズ、その他のアクセサリー類は前面のふたつのポケットに仕舞える。背面にはタブレットも収納可能だ。容量面で不足を感じるなら、オプションのエンドポケットを装着するといい。 スモールサイズのカメラバッグとはいえ、マックスで収納するとけっこうな機材が入るはずだ。
オプションのエンドポケット
AVEA7
(左)とショルダーパッド
SP-40
(右)。それぞれカラバリが用意されている。
エンドポケットAVEA7はハドレースモールプロの側面に装着可能。クッション入りなのでレンズポーチとして重宝する。
280mlのペットボトルも収納可能。
ショルダーパッドSP-40を装着したところ。表はレザーで、裏面は独立気泡フォームを内蔵している。
ショルダーベルトの肩への食い込みを軽減してくれる。
ビリンガムのカメラバッグはややもすると上品な印象が先行する。しかし、実際に手にすると、ガシガシ使ってナンボのバッグだとすぐに気づくはずだ。ビリンガムはけっして高級カメラバッグではない。実用品だ。布がすり切れるまで使い込むのがかっこいい。
ビリンガム ハドレースモールプロ 特集ページ
澤村 徹|プロフィール
写真家、ライター。1968年東京生まれ。法政大学経済学部卒業。2008年に翔泳社より「オールドレンズパラダイス」を出版し、カメラ業界での執筆をスタートする。翌年、翔泳社「GR DIGITALカスタムブック」がカメラドレスアップの火付け役に。以降、オールドレンズ、カメラドレスアップの第一人者としてカメラ雑誌やウェブ媒体で活躍する。デジカメWatch「デジカメドレスアップ主義」は7年つづき、玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズは1冊目から責任編集を務める。http://metalmickey.jp
ビリンガムはライカ用、そんな先入観を抱いている人はいないだろうか。たしかにビリンガムのカメラバッグはトラッドなデザインで、ライカユーザーにはことのほか人気だ。ただし、外観だけにとらわれると、ビリンガムの本質を見失う。ビリンガムのアドバンテージ、 それは圧倒的な作りのよさにある。筆者のビリンガム歴は、10年以上前にビリンガム335という容量10Lの大型タイプを愛用していた。当時はデジタル一眼レフとライカ、さらにオールドレンズ数本を持ち歩くことが多く、重量のある機材を安全に携行する必要があった。 その条件に合ったのがビリンガムだ。見た目はファッションバッグのようだが、インナークッションが肉厚で細部の作りも頑丈。重量のある機材を詰め込んでもビクともしない。過剰装備ともいえる作りが、大きな安心感につながるのだ。
さて、今回はビリンガムのハドレースモールプロを試用した。容量3.5Lの小振りなカメラバッグだ。サイズ的にミラーレスユーザーにうってつけのバッグである。レンズ付きのミラーレスと交換レンズを、余裕をもって収納可能だ。 大きめのオールドレンズを付けた状態でも余裕があった。
この組み合わせはちょっときつい状態だった。2台持ちするなら定番サイズのハドレープロも視野に入れておきたい。
このハドレースモールプロも作りのよさが際立っている。クッション性や縫製の確かさはいうに及ばず、ディテールが実用的なのだ。たとえば上部のハンドル。ショルダータイプのカメラバッグの場合、このハンドルがあるかないかで扱いやすさが全然ちがう。 インナークッションの蓋もいい。フラップを開けたときにいきなりカメラをご開帳せずに済む。セキュリティー面で重要な配慮だ。特に高価な機材を携行しているときはありがたい仕様である。また、バッグの開口部に金属がなく、気兼ねなくカメラを出し入れできる。 このカメラバッグのよい点を挙げると切りがない。驚くほど撮影機材に過保護なカメラバッグだ。
収納効率という点でもこのバッグはよく考えられている。メインスペースはカメラとレンズ、その他のアクセサリー類は前面のふたつのポケットに仕舞える。背面にはタブレットも収納可能だ。容量面で不足を感じるなら、オプションのエンドポケットを装着するといい。 スモールサイズのカメラバッグとはいえ、マックスで収納するとけっこうな機材が入るはずだ。
280mlのペットボトルも収納可能。
ショルダーベルトの肩への食い込みを軽減してくれる。
ビリンガムのカメラバッグはややもすると上品な印象が先行する。しかし、実際に手にすると、ガシガシ使ってナンボのバッグだとすぐに気づくはずだ。ビリンガムはけっして高級カメラバッグではない。実用品だ。布がすり切れるまで使い込むのがかっこいい。
澤村 徹|プロフィール
写真家、ライター。1968年東京生まれ。法政大学経済学部卒業。2008年に翔泳社より「オールドレンズパラダイス」を出版し、カメラ業界での執筆をスタートする。翌年、翔泳社「GR DIGITALカスタムブック」がカメラドレスアップの火付け役に。以降、オールドレンズ、カメラドレスアップの第一人者としてカメラ雑誌やウェブ媒体で活躍する。デジカメWatch「デジカメドレスアップ主義」は7年つづき、玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズは1冊目から責任編集を務める。http://metalmickey.jp